人間なら誰でもすぐにできること
実は、今度のロボットはバッテリーを持ちだそうとしたときに考え込んでしまったのです。自分がバッテリーを持ち出すことはわかっていても、時限爆弾まで持ち出していいのかどうか様々な可能性を考えて迷ってしまったのです。
結局、余計なことを考えすぎてしまい、時間だけが過ぎていって、時限爆弾がついに爆発してしまいました。このロボットも失敗に終わったのです。
さらに、ロボットの改良が進められました。今度は、自分の目的を達成するためには関係のないことはあまり考えないようにするという改良が加えられました。
そうすると、新しいロボットは「自分がすべきこと」と「しなくていいこと」を分ける作業に時間を取られてしまって、考え続けている間に今度は洞窟に入ることもできなくなってしまいました。結局、3つ目のロボットも失敗に終わったのです。
ここでは何が言えるのでしょうか。
決められた目標を達成するに当たり、それに関係する知識だけを詰め込んで確実に実行するということが、ロボットには無理であることがわかってしまったのです。
人間なら、誰でも理解してすぐにできることです。それを、どんなに改良されたロボットでもできなかったのです。これが、フレーム問題の典型例です。