すべての人工知能を研究している人たちにとっては、人間の知能を機械の上で実現するというのが、究極的な目的になっています。それが、研究する人たちの最大のモチベーションであり、そこに向かって一歩ずつ近づいているのは事実なのです。
人間の脳は電気回路
現在は、人工知能という言葉が一人歩きしているようで、あたかも人間とまったく同じように考えられる知能が機械上に存在するかのような謳(うた)い文句が、いろいろな製品に使われています。
たとえば、「AIを搭載した製品」や「AIを使ったシステム」……。
そんな言葉を耳にしたことは誰でも必ずあるでしょう。
しかし、人工知能が人間と同じように考えられるというわけではありません。まだまだ人工知能は発展途上であり、人間で言えば5歳の幼い子にもかなわない部分を多く抱えています。
どんなにビッグデータを駆使したとしても、まだ人間の知能ははるか上に行っていて、最新のソフトといえども、そこに到達することはできないのです。
それほどに、人間というのは自分が意識しないのにもかかわらず、様々なことを自律的にできる存在なのです。
そんな人間の脳の働きをコンピュータで再現しようとする研究がとても盛んになっています。
実は、人間の脳はあたかも電気回路のようになっています。たとえば、人間の脳の中には神経細胞が無数にあって、その中をしきりに電気信号が行ったり来たりしています。(ページ2に続く)