現段階で人工知能は自分だけでは何もできない

 

人工知能の進化を促しているディープラーニング(深層学習)。そのディープラーニングの得意なこととは何でしょうか。それは、膨大な画像データから特徴を探しだすことなのです。

用途とデータを明確にする

たとえば、人工知能が犬の画像を「それは犬だ」と認識するうえでは、対象となる画像に犬だとわかる特徴がどれほど含まれているかがポイントになります。
しかし、人間ならすぐにわかることが人工知能にはわからないことが多いのです。
たとえば、言語の問題。




「健太は由美が好きなのです」という言葉と、「由美は健太が好きなのです」という言葉は、使用されている単語は同じなのに、意味は逆になります。その違いが人間はすぐにわかりますが、人工知能はその違いがわからないのです。
だからといって、人工知能を「使えない」と判定するわけにはいきません。なぜなら、人間が目的をはっきり指定して必要なデータを用意すれば、人工知能は人間を上回る能力を発揮する可能性があるからです。
要は、用途とデータです。それを人間が明確にしてあげれば、人工知能はすばらしい能力を発揮します。
ただし、人工知能は自分だけでは何もできません。それは現段階の話ですが、そのことを理解して人工知能に過度な期待をかけないほうがいいでしょう。



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人工知能に関する用語

〔IoT〕
Internet of Things(モノのインターネット)の略です。モノがインターネットに接続されることで、操作や制御を行なえる仕組みのこと。

〔アルゴリズム〕
問題を解決するための計算方法や手順のこと。

〔音声認識〕
人間が話している声をコンピュータに認識させて文字に変換する技術のことです。

〔画像認識〕
画像・動画から対象(文字や顔など)の特徴を認識して検出する技術のことです。

〔機械学習〕
膨大なデータをコンピュータに繰り返し学習させて特徴を見つけ出すことです。

〔自然言語処理〕
コンピュータに人間が使用している言葉を理解させる技術のことです。

〔シンギュラリティ〕
技術的特異点とも言われます。人工知能が人間の知能を上回る転換点のことです。未来学者のレイ・カーツワイル氏は、シンギュラリティが2045年に訪れると予測しています。

〔チャットボット〕
人工知能を生かした自動会話のプログラムのことです。

〔ディープラーニング〕
深層学習とも言います。機械学習の1つで、人間が指示を出さなくても人工知能が学習データの中で自ら特徴を見つけ出すことです。

〔ニューラルネットワーク〕
電気回路のような脳の仕組みをコンピュータで再現するネットワークのことです。

〔パターン認識〕
対象物のパターンを分析することによって、その意味を抽出することです。

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