人工知能の現状を考えてみましょう。今までの人工知能は、人間なら小さな子供でもできることができないケースが多かったのです。それほど、人間と人工知能の間には多くの部分で開きがありました。
データを機械に覚えさせた結果
たとえば、犬と猫を両方見てすぐに「こちらが犬で、こちらが猫」と区別することは、人間であれば物心がついたときから可能です。つまり、人間は物を見分ける能力を早くから身につけているのです。
しかし、機械はそういうわけにはいきません。
猫、犬、馬、猿の写真を見せたとして、「この中で猫はどれか」という答えを出させるのは大変難しいことだったのです。
しかし、猫の写真を数限りなく機械に覚えさせることによって、機械は猫の形を認識できるようになります。その後は違う猫の写真を見せただけで、データ上でこれが猫だと認識します。
それは、膨大な猫のデータを機械に覚えさせた結果です。
こうした作業を見ていきますと、人間というのは誰にも教わらずに自然と物事を見分ける能力に優れていることがわかります。(ページ2に続く)