解説!ニューラルネットワークと誤差逆伝播法

 

人工知能に飛躍的な進化をもたらしたディープラーニング(深層学習)。それを可能にしているシステムは「ニューラルネットワーク」と呼ばれています。このニューラルネットワークは、人間の脳の働きからアイデアを得たものです。

どの段階で誤差が生じたのか

わかりやすい例で説明します。手書きした「か」という文字を、コンピュータに認識させようとします。
ただし、様々な人間が手書きで書いた場合には、同じ「か」でも色々な形になってしまいます。
それゆえに、コンピュータが「か」を他のひらがなと間違ってしまう、ということも起こりがちです。




かなり崩して書いた文字の場合、間違えてしまうのも仕方がありません。しかし、間違えた場合にしても、画像を認識する過程においてどの部分で誤差が生じてしまったのかを結果から逆にたどっていきます。
そして、間違えやすい要素を取り除けば、コンピュータが画像認識を正しく行なえるようになります。
それを繰り返すことによって、精度を高めようというのがニューラルネットワークの基本的な考え方です。
それは、「誤差逆伝播法」という言葉でも説明されています。(ページ2に続く)



ページ:

1

2

関連記事

ピックアップ記事

  1. ソニーの犬型ロボットaibo(アイボ)。初代は1999年に発売されて大変な話題に…
  2. 最近は、「シンギュラリティ」という言葉をよく耳にするようになってきました。これは…
  3. 人工知能の活用が特に期待される分野が医療だ。特に、膨大なデータの処理に強みを見せ…
  4. それは2012年のことだった。世界でも特に有名な研究機関が集まって、画像認識のコ…
  5. 人間の言葉を人工知能(AI)が理解して音楽をかけてくれたり家電製品を操作したりし…
  6. 人工知能の進化を促しているディープラーニング(深層学習)。そのディープラーニング…
  7. 大学の先輩の昭夫(A)と後輩の一郎(I)。2人は飲み屋で酒を飲みながら思い出話を…
  8. 人工知能の開発過程では、「フレーム問題」という重要な問題が起こっています。このフ…
  9. すべての人工知能を研究している人たちにとっては、人間の知能を機械の上で実現すると…

アーカイブ

人工知能に関する用語

〔IoT〕
Internet of Things(モノのインターネット)の略です。モノがインターネットに接続されることで、操作や制御を行なえる仕組みのこと。

〔アルゴリズム〕
問題を解決するための計算方法や手順のこと。

〔音声認識〕
人間が話している声をコンピュータに認識させて文字に変換する技術のことです。

〔画像認識〕
画像・動画から対象(文字や顔など)の特徴を認識して検出する技術のことです。

〔機械学習〕
膨大なデータをコンピュータに繰り返し学習させて特徴を見つけ出すことです。

〔自然言語処理〕
コンピュータに人間が使用している言葉を理解させる技術のことです。

〔シンギュラリティ〕
技術的特異点とも言われます。人工知能が人間の知能を上回る転換点のことです。未来学者のレイ・カーツワイル氏は、シンギュラリティが2045年に訪れると予測しています。

〔チャットボット〕
人工知能を生かした自動会話のプログラムのことです。

〔ディープラーニング〕
深層学習とも言います。機械学習の1つで、人間が指示を出さなくても人工知能が学習データの中で自ら特徴を見つけ出すことです。

〔ニューラルネットワーク〕
電気回路のような脳の仕組みをコンピュータで再現するネットワークのことです。

〔パターン認識〕
対象物のパターンを分析することによって、その意味を抽出することです。

ページ上部へ戻る