「ディープラーニング」はこうして生まれた!

世紀の大発見

トロント大学の勝因の元になったのが、新しい機械学習の方法として登場してきた「ディープラーニング」だった。
ディープラーニングの特徴は、人間が行なっていた特徴量の設計を、膨大なデータをもとにコンピュータが自ら行なうというところだった。つまり、コンピュータが自ら特徴量を見つけ出し、画像の認識に生かしていたのである。




人間の指示に従うことによって結果を出していたコンピュータが、今度は人間の指示に頼らずに自ら答えを見つけていくプロセスを獲得したと言える。
しかも、それによってトロント大学は、他の研究機関を圧倒するような成果を見せたのである。ディープラーニングは「世紀の大発見」と言っても過言ではなかった。
こうしたディープラーニングの登場によって、世界中の人工知能を研究する人たちが活気づいたのは間違いない。
まさに2012年から、人工知能は、はかりしれない可能性に向かって疾走し始めたのである。



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人工知能に関する用語

〔IoT〕
Internet of Things(モノのインターネット)の略です。モノがインターネットに接続されることで、操作や制御を行なえる仕組みのこと。

〔アルゴリズム〕
問題を解決するための計算方法や手順のこと。

〔音声認識〕
人間が話している声をコンピュータに認識させて文字に変換する技術のことです。

〔画像認識〕
画像・動画から対象(文字や顔など)の特徴を認識して検出する技術のことです。

〔機械学習〕
膨大なデータをコンピュータに繰り返し学習させて特徴を見つけ出すことです。

〔自然言語処理〕
コンピュータに人間が使用している言葉を理解させる技術のことです。

〔シンギュラリティ〕
技術的特異点とも言われます。人工知能が人間の知能を上回る転換点のことです。未来学者のレイ・カーツワイル氏は、シンギュラリティが2045年に訪れると予測しています。

〔チャットボット〕
人工知能を生かした自動会話のプログラムのことです。

〔ディープラーニング〕
深層学習とも言います。機械学習の1つで、人間が指示を出さなくても人工知能が学習データの中で自ら特徴を見つけ出すことです。

〔ニューラルネットワーク〕
電気回路のような脳の仕組みをコンピュータで再現するネットワークのことです。

〔パターン認識〕
対象物のパターンを分析することによって、その意味を抽出することです。

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