果たして人工知能は「名医」になれるのか

 

人工知能の活用が特に期待される分野が医療だ。特に、膨大なデータの処理に強みを見せる人工知能は、画像診断などの際に有効に作用する可能性を持っている。果たして、人工知能はどこまで医療の現場で役立つだろうか。

人工知能の成果

話題の人工知能「ワトソン」を開発したIBMは、東京大学医科学研究所との協力関係を深めている。
両者は2016年、急性骨髄性白血病の患者について「人工知能が、原因となる遺伝子変異を10分ほどで突き止めた」と発表している。
その成果に驚かされる。様々なデータを駆使して患者に効く抗がん剤を選択したら2カ月で退院できたという。




この具体例をはじめとして、人工知能は医療の分野でどこまで効果を発揮するのか。実際、人工知能がレントゲンやCTの検査画像を精査したり、医師の診断を補助する研究も進んでいる。
切羽詰まった事情もある。
医師が目を通さなければならない資料が飛躍的に増えてしまい、文献やデータベースを調べるのに限界があるという現状が根底にある。(ページ2に続く)



ページ:

1

2

関連記事

ピックアップ記事

  1. ソニーの犬型ロボットaibo(アイボ)。初代は1999年に発売されて大変な話題に…
  2. 最近は、「シンギュラリティ」という言葉をよく耳にするようになってきました。これは…
  3. 人工知能の活用が特に期待される分野が医療だ。特に、膨大なデータの処理に強みを見せ…
  4. それは2012年のことだった。世界でも特に有名な研究機関が集まって、画像認識のコ…
  5. 人間の言葉を人工知能(AI)が理解して音楽をかけてくれたり家電製品を操作したりし…
  6. 人工知能の進化を促しているディープラーニング(深層学習)。そのディープラーニング…
  7. 大学の先輩の昭夫(A)と後輩の一郎(I)。2人は飲み屋で酒を飲みながら思い出話を…
  8. 人工知能の開発過程では、「フレーム問題」という重要な問題が起こっています。このフ…
  9. すべての人工知能を研究している人たちにとっては、人間の知能を機械の上で実現すると…

アーカイブ

人工知能に関する用語

〔IoT〕
Internet of Things(モノのインターネット)の略です。モノがインターネットに接続されることで、操作や制御を行なえる仕組みのこと。

〔アルゴリズム〕
問題を解決するための計算方法や手順のこと。

〔音声認識〕
人間が話している声をコンピュータに認識させて文字に変換する技術のことです。

〔画像認識〕
画像・動画から対象(文字や顔など)の特徴を認識して検出する技術のことです。

〔機械学習〕
膨大なデータをコンピュータに繰り返し学習させて特徴を見つけ出すことです。

〔自然言語処理〕
コンピュータに人間が使用している言葉を理解させる技術のことです。

〔シンギュラリティ〕
技術的特異点とも言われます。人工知能が人間の知能を上回る転換点のことです。未来学者のレイ・カーツワイル氏は、シンギュラリティが2045年に訪れると予測しています。

〔チャットボット〕
人工知能を生かした自動会話のプログラムのことです。

〔ディープラーニング〕
深層学習とも言います。機械学習の1つで、人間が指示を出さなくても人工知能が学習データの中で自ら特徴を見つけ出すことです。

〔ニューラルネットワーク〕
電気回路のような脳の仕組みをコンピュータで再現するネットワークのことです。

〔パターン認識〕
対象物のパターンを分析することによって、その意味を抽出することです。

ページ上部へ戻る