果たして人工知能は「名医」になれるのか

画像診断の分野に期待!

生身の医師と違って、ワトソンならいくらでもデータを学習できる。なにしろ、2千万本以上の医学論文や薬品情報を取り込むことができる。
そうしたことで、患者の病名や治療につながる医療情報を担当医師に伝える役割を果たしていける。
特に注目されているのが画像診断の分野だ。
今まではもちろん、専門医が画像を診断していたのだが、そうした専門医に代わって人工知能が診断しても、人間を上回る精度も期待できるようになった。




ただし、問題もある。
人工知能は膨大なデータを学習して特定のパターンを判定しているのだが、その学習過程を明らかにできる場合が少なく、患者への説明も容易ではない。しかも、いくら精度が高まったとはいえ、診断を誤るケースもないとは言えない。
さらには、医師と人工知能の診断が違った場合には、医療現場が混乱してしまうことも十分に予測できる。
人間も人工知能も完璧ではない。
そうであるならば、人工知能をより良く使うためにも、やはり人間の英知が必要なのである。



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人工知能に関する用語

〔IoT〕
Internet of Things(モノのインターネット)の略です。モノがインターネットに接続されることで、操作や制御を行なえる仕組みのこと。

〔アルゴリズム〕
問題を解決するための計算方法や手順のこと。

〔音声認識〕
人間が話している声をコンピュータに認識させて文字に変換する技術のことです。

〔画像認識〕
画像・動画から対象(文字や顔など)の特徴を認識して検出する技術のことです。

〔機械学習〕
膨大なデータをコンピュータに繰り返し学習させて特徴を見つけ出すことです。

〔自然言語処理〕
コンピュータに人間が使用している言葉を理解させる技術のことです。

〔シンギュラリティ〕
技術的特異点とも言われます。人工知能が人間の知能を上回る転換点のことです。未来学者のレイ・カーツワイル氏は、シンギュラリティが2045年に訪れると予測しています。

〔チャットボット〕
人工知能を生かした自動会話のプログラムのことです。

〔ディープラーニング〕
深層学習とも言います。機械学習の1つで、人間が指示を出さなくても人工知能が学習データの中で自ら特徴を見つけ出すことです。

〔ニューラルネットワーク〕
電気回路のような脳の仕組みをコンピュータで再現するネットワークのことです。

〔パターン認識〕
対象物のパターンを分析することによって、その意味を抽出することです。

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