画像診断の分野に期待!
生身の医師と違って、ワトソンならいくらでもデータを学習できる。なにしろ、2千万本以上の医学論文や薬品情報を取り込むことができる。
そうしたことで、患者の病名や治療につながる医療情報を担当医師に伝える役割を果たしていける。
特に注目されているのが画像診断の分野だ。
今まではもちろん、専門医が画像を診断していたのだが、そうした専門医に代わって人工知能が診断しても、人間を上回る精度も期待できるようになった。
ただし、問題もある。
人工知能は膨大なデータを学習して特定のパターンを判定しているのだが、その学習過程を明らかにできる場合が少なく、患者への説明も容易ではない。しかも、いくら精度が高まったとはいえ、診断を誤るケースもないとは言えない。
さらには、医師と人工知能の診断が違った場合には、医療現場が混乱してしまうことも十分に予測できる。
人間も人工知能も完璧ではない。
そうであるならば、人工知能をより良く使うためにも、やはり人間の英知が必要なのである。